H13/11/19 未明 AM 2:30 〜 AM 5:00 頃まで 観測
● 観測場所： 横浜・みなとみらい地区・コスモスワールド付近
● 目視確認数： ２１４個 （微妙なものを入れると３００以上）
【０．はじめに】
昔、流れ星は、小さい頃に一晩のうちに
３〜４個
という数なら見たことはあった…。
しかし今年は、
「日本」では１００年に一度
という類まれな、しし座流星群の
最良の観測条件と、１時間に１５０００個という最大出現数を
某・天体予測者が（名前忘れました…）予測をしていて、
ここ十数年、流れ星を観る機会が無かったこともあり、久々に天体観測の
純粋な星心が、今回、何故か妙にくすぐられるのであった…。
そして、１１／１９の午前０：００、冬空の寒い中「にしかわ」のすさんだ心に
久々に、
ぼぼぼーっと
熱い火がともったのであった。
【１．まずは仕度】
えぇ…、戦い前の！？
腹ごしらえ
ということで、（笑）
前日、特売で買っておいた「ぶりの切り身」をオーブンで焼き、
付け合せとして、せっせと「大根おろし」すって、質素な食卓を整えた。
さて、どのような装備で行こうか？
にしかわは、いつも行き当たりばったりである…。
行儀悪く口を動かしながら、
バタバタ
とリュックにいろいろ荷造りを始める。
「しし座流星群の資料」・「懐中電灯」・「携帯ラジオ」・「双眼鏡」・「多少のお金」
思ったほど重装備では無い、というか本格的な流星観測は、
今回が初めてだったりする。
準備ができたら、一応情報入手
インターネットや、ＴＶのニュース、それから
「ひまわり」の雲の画像！
現時点で条件は、まずまずであり、各地ではポツポツと流星観測の情報も入っていた。
そういった矢先、なんと！街灯がギラギラする部屋の小さな窓から
２個も立て続けで
流れ星が流れていく様子がみれた！
これは、絶対に観れる！
と、踊るような気持ちで確信した「にしかわ」は、
コテコテに厚手の服を着込み、午前１：３０観測点へと出発した…。
【２．深夜なんですね…】
そう、今は深夜なんです…。
現在、午前２：００前、もちろん電車やバスなどは走っている訳は無く、
周りには、ウロウロと徘徊する、タクシーの群れがさまよっているだけである。
えぇぇぇぇ…ぃ！
乗れよ！乗れよと！交差点に差し掛かるたびに、タクシーが寄り付いてくる！
不況なのは、分かるけど
「にしかわ」にはお助けできません…。
と
散々タクシーを拒みつつ、約１時間の道のりを経て
足が棒になりつつ、ようやく流星観測地点へと到着した。
残念なことに、この約１時間の間に、さっきまで晴れ渡っていた夜空に
びっしりとウロコ雲が広がっていた。
また、移動最中は街灯や建物、自動車のライトなどで
多分、流れているであろう、流れ星は一つも見ることが出来なかった。
でも、ここまで来たら、もう後戻りはできない！
晴れるのを待とう！ 現在、午前２：３０！
こうして、長い一夜の観測が始まった…。
【３．観測開始：第一のピーク★】
上で述べた、予測者は、ここ数年、
数十分単位で流星の発現時間を的中
させているそうだった。
それを信じると、今、午前２：３０付近は第一の発現ピークにあたる。
空を見上げると…。 全天の９５％を覆うような
びっしりとしたウロコ雲が
「にしかわ」の視界をさえぎっていた。
う〜ん…、もどかしい…。
天体観測にはつき物のハプニングである。
でも、ハイテクが進んだ人間さまでも、お天気だけはどうしようも無い。
自然界の頂点に君臨していると自負している割には、
結構情けないものである。
観測は続く…。
落ち着いたところで、周りを見渡すと、他にも観測者が多数いた。
何故かカップルが多い。
これを気に
「愛情」
を深め合うまたと無いチャンスなのであろう。
その、カップルの中に
埋もれている
、独り身の「にしかわ」は、
せめて、
「空よ晴れてくれ〜！」
と
心の中で叫んだ★
DDD">雲の多い中では、あったが１時間も空を眺めていると、
この間、約１０個ほどの流れ星を雲の隙間から見ることができた。
大きいものだと、なんと
ウロコ雲を通して流れる筋が
観測できるほどの大規模なものであった。
でも、第一のピークという割には、期待したほど星は流れなかった。
多分、雲によって遮られたせいもあったのであろう…。
【４．第二のピーク★】
観測が始まって、早１時間。
初めは、歩きで汗ばむほどの状態であったが、やはり冬の夜は冷え込む。
無風の状態だったが、放射冷却が思った以上に寒く、じわじわと体の芯が冷えてきた。
そうこうしているうちに、
午前３：２０頃、流星予測の第二のピーク
の時間がきた。
夜空にはびこっていたウロコ雲も少しづつばらけてきて、
初めのころに比べれば、
全天の４割は見渡せるようになった。
しかし、
忘れた頃に、ポツリ、ポツリ
といった感じで、
何か、物足りなさを感じていた。
んんん…。 このピークが終わったら、ぼちぼち帰るかな…。
そう思ってしまうぐらいであった。
ちょうど観測場所は、横浜のランドマークタワーの真下付近の
コスモワールド内の芝生、
芝生は東向きの斜面となっており
目の前は、山下埠頭を見渡し、横浜湾を通して太平洋だけが広がる。
昼間は観光地として電飾鮮やかなこの場所も、
深夜ともなれば、全ての電気は落とされ、
住宅地も無い無人の暗闇の広場となる。
今回のしし座の流星観測にはもってこいの穴場の場所であった。
【５．予想外の展開！】
そう、心の中で午前４：００になったら帰ろうかと思いながら
体も冷え切り、うつろな目で観測を続けていた。
初め、あたりに沢山いたカップルもどんどんと夜の町に消えていく…。
夜空は、知らない間に
「快晴」
になって、
都会では珍しい満点の星空となった。
めったに観れない星空、もう少しだけ観ていこうか…、
と、思ったその時、ほとんど流れなくなっていた流れ星に変化が現れた。
「おぉぉぉぉぉ…！」
まだ、残っていた人たちから、歓声が沸き起こった。
見上げると、なんと
夜空いっぱいに光の筋を残しながら、
次々に流星が流れ始めたでは無いか！！！！！
同時に３〜４個、連続で４〜５個
流れている時間が１秒以上のもの、色とりどりと、
ここまでの２時間で観測できた数は、約３０個
しかし、
午前４：００から５：００までの間に、確認できたものだけで
約１８０個も星が流れたのであった。
その姿は、まさに流星雨にふさわしい光景が広がりました。
そして、流れた跡にできる青緑色の光の筋は、とても幻想的なものでした…。
しばらくは、感動で寒さも忘れ、周りの人たちとともに歓声を上げながら、
帰るのも忘れて、没頭してしまいました…。
【６．帰りの途…】
予想外の流星のピークも過ぎ、
さすがに、体も限界に達してきたのか、震えが止まらなくなってきてしまいました。
午前５：００、そろそろ始発電車も走りはじめる。
そろそろ、潮時だな…。
まだ、ちらほらとは、流星が流れている夜空を見上げ、
「いい想いでを、ありがとう…」
と、しし座の流星に別れを告げ、帰りの電車へと向かった。
完全に冷え切った体で、長時間夜空の中にいたので、
かなり、体にダメージがあったが、
心には、苦痛は無くとても穏やかな気持ちであった。
あと、１時間星を眺めていたら、自分もお星様になって
いたのでは？という感じもしました。（笑）
そして、最寄駅に着く頃には、夜空も白み初め、
さっきまで流星が流れていた、東の空は「朝焼け」になっていました。
ふとその時、赤くなっている「朝焼け」をバックに、
これとぞばかりに流れ星が流れました…。
この風景は、最高に綺麗なものでした。
【７．終わりに】
最終的に、「にしかわ」は、目視で確認したものだけで、
合計２１４個の流れ星を見ることができました。
都会の真ん中で、まさかこれだけの流れ星を見ることができるとは、
最初、思ってもみませんでした。
そして、これだけの流れ星を一夜でみたのも初体験、
夜空を渡るような、大きな流れ星をみたのも今回が初めてでした。
多分、生涯忘れられない風景になると思いました。
やはり、自然の偉大さには感動の一言でした…。
また、このような機会に巡りあえるのなら、
また、出かけて見たいと思います。
【８．余談…★】
この後、「にしかわ」は帰宅したとたんに爆睡しました。
そして、空を羽ばたいて飛び回る夢を見ました。
とっても気持ちのいい夢でした…。
（ただ、目が覚めると両腕が痛い！）
（寝ながら羽ばたいていたのか？ 謎です…。(^-^;;;）
そう、目が覚めて一つだけ忘れていたことがありました。
会社！ お仕事に行くことを…。（大汗）
あぁ…、現実は厳しいっす！
でも、いいです！
今日の感動に比べれば…。
−おしまい−
こちらです ★